
やあぶたくん。おひさしのぶりだ。

おや。そういうきみはニョキだね。ひさしぶりじゃないか。

ぶたくん、きみがなにやらシアンしているとあきよからきいたよ。

むむっ、あきよからかい?

そうともさ。その、あきよからだぜ。ところでミー・チチンならあめがふったあとにかわのそこのほうに―

きみがいいたいのはいろのシアンだろ。ぼくのはいろじゃないほうの「しあん」だよ。

しってるぜ。「しやん」だろ。いったいぜんたいなんだって「しやん」をしているわけ?

ぼくの「しやん」をききたいのかい?

ききたいね。

ほんとにかい?

ほんとにさ。

それじゃちょっとそこにすわってよ。
もうすわってるけど。

そうだったか。きみってばすこしあしがみじかいね。

ぶたくん、それはしつれいってやつだよ。

そうかな。ごめんよ。

いいよ。

それじゃぼくの「しやん」をはなそう。

やってくれたまえ。

うん。きみ、しゃべるとりがいるかもっておもったことないかい?

しゃべるぶたはいるけど、とりはどうかな。

ぼくがしゃべれるんだから、とりだってもしかしたら、だぜ?

そうかもしれないけど、ぼくはみたことないや。

うみのむこうの、ずーっとむこうの、それからずーっとずーっとさきの、くらいくらいどうくつのずーっとおくに、いるかもしれないじゃない。

なんだかいるかもしれない、っておもってきたぞ。

そうだろ。それじゃさがしにいってみたいとおもわない?

そりゃおもうさ。だけどもぶたくん、きみ、よわいよ。

そこなんだよ。ぼくはごらんのとおりよわい。

きをおとすなよ、ぶたくん。きみがコウモリをたおすのをみたことがあるって、おるぅがいってたよ。

あれはぼくがおるぅにたのんだの。

ああそうなの・・・だけどヘビならたおせるかもしれないぜ?

そうかな?

そうとも!

でもそれだけじゃうみのむこうにはいけないね。

そんなことないぜ、ぶたくん。なんたってこのぼくがいるんだからね。

きみ、もしかして、イッチョンのことわすれてるんじゃないだろうね?
ギクリ

それにきみは「ちょうきょう」をもっていないじゃないか。

それもそうだった。そういやぶたくんはたたかえばたたかうほどよわくなってった。

そうなんだ。ぼくはただただよわくなっていくのみさ。

うーむ。

うーむ。

ぶたくん、ぼくはちょっとでかけてくるとするよ。ここでまっていたまえ。

そういうことなら「しやん」をつづけるとするよ。

やや!こんなところにこまっているぶたがいたぞ!
どうしたんだいぶたくん。

おやもうかえってきたの。

うん、じゃないや、はじめまして。わたしはニョキーマンです。

きみ、なにしてるんだい。

ニョキというひとをきみはしっているかもしれないけど、おやぐうぜんだあなあ。なまえがにてるけどわたしはニョキーマンです。

なにかおもいついたのかい?

うん。いや、なんのことかな?わたしはこまっているぶたくんをたすけにきました。

そういうことならきみ、ぼくをイッチョンからまもれるのかい。

イッチョンマンのことかい?そんなものニョキーマンにかかればけちょんけちょんのぼっこすこさ。ちくしょういまにみていろよ。

それまけてからいうせりふじゃないの。

まあこのおにくをおたべ。

うん?なんだいいきなりだなあ。まあたべるけどもぐもぐ。

ぶたくん。なんだかちからがわいてきたんじゃない?

そんなことないとおもうよ。ぼくはいつだってぶたさ。

ぶたくんこっちだ!

わわっ!なんだ!からだがかってにうごくぞ!

ぶたくん!とまれ!

あららうごかなくなった。

ぶたくんおいで!
なんだかかってにからだがうごいてるみたい。

どうだいぶたくん。

なんだかあと20ぷんくらいはきみのいうとおりにうごくみたい。

そのとおり!こうやってあんぜんなばしょにゆうどうするってわけ。

それはいいアイデアだ。きみにしてはかんがえたね。

えへへ。

だけどどうやってあんぜんなみちにするわけ?